整経方法 その2
整経の仕方に3通りの方法があることは前にお話しました。その中の一つ、「切り替え」の変則的な方法のお話です。
一般に「切り替え」では偶数本の糸を持って始まり、行き帰り共、同じ順番に綾を取り一往復で偶数個の綾をつくるのが普通です。奇数本の糸を持って始めると、行き帰りで綾が並んでしまいます。(図1参照)

奇数本の糸を持って整経をする時は、図2のように行き帰りで綾を取る順番を違えることによって、綾が並ぶことを防げます。

行き帰りで違う動作をするため、作業している内容をしっかり頭に入れておく事が必要ですが、この作業ができると整経の巾が広がります。
ちょっと、図3をご覧下さい。この糸の並びをどのように整経したら良いでしょうか?

「回し経り」で枠を18枠立てれば何の問題もありませんが、木枠を18立てるというのも大変です。糸の並びをみると図4のようになっている事が判ります。奇数本の繰り返しです。上の事に注意して、図5のように綾の取り方を違えてやれば、9枠で整経 できることが判ります。

綾の並びと、今している作業の内容をきちんと理解さえしていれば、行きと、帰りでまったく違う順番で綾を取ることも出来、様々な工夫が可能です。