手織り教室のご案内

はじめに

店主の祖母が手織りの講習をはじめて以来、母、私と三代に渡り、お客様に教わりながらやってまいりました。その間、それこそ幾万人かの方々とお行き会いし、すばらしい技術をもったたくさんのおばあちゃん達にたくさんの事を教わってまいりました。でも、もうそんな方も一人か二人しかいらっしゃらなくなってしまいました。

「健全な身体に健全な精神が宿る」と言いますが、この方々は精神的にも、身体的にも極めて健全で、超人間技を持っているにも関わらず何事もなかったかの様に、もくもくと機を織っていらっしゃいました。織りあがった反物を整理にお店に持って見え、にこにことして恥ずかしそうに、出来具合を私の父と話す姿が、昨日の事の様に思い出されます。思い出話はきりがありません。またの機会にする事として、今の教室を紹介させて戴きます。

今、教室には、ベテランから初めて機をはじめられた方まで様々な方々が機織りを楽しんでいらっしゃいます。本科を受講し、初めて織り機に座り、「出来るかな?!出来るかな?!」を連発されていた方々も、本科の卒業課題である、経・緯に絹60/2を使った無地柄一丈を織り上げる頃には、目がきらきら輝き始めます。
機(布)を織り上げた時(特に長尺物)のすがすがしさを感じていただければ、また、この諏訪の地でたくさんのおばあちゃん達が機織で辿った道のりを僅かでもお伝えできたらと思います。
長い間教室に携わった、おばあちゃん先生(私の母)と、見守っていただいた、たくさんの生徒さん達によって培われた温かい雰囲気の中で、機が好きで好きでたまらない皆様とご一緒に、機の事を考えて行けたらと思います。

講座一覧

 内容は下表の様になっております。不備の点は、その都度、改善して行きたいと思います。何分の、ご指導、ご鞭撻をお願い致します。また、教室で空いている本科講習用織機の台数を下に表示させていただきました。空きのある場合は、お申込いただければ次の教室開催日から受講いただけます。 (体験コース用織り機は本科・研究科用織り機の空きを利用しております。空き状況につきましてはお手数でもお問合せをお願いいたします。)
不明の点、詳細に付きましては、お電話(0266-52-0518)またはmailでお問い合わせください。よろしくお願い致します。 

講座名有効期間回数受講資格内容
A.本科6ヶ月20回特にありませんカリキュラムに従い5つの工程を履修します
B.研究科3ヶ月10回本科を終了し課題を履修済の方自由課題
C.特修コース11年3~4回研究科又は同程度を履修済の方自由課題(織りの計画と整経)
D.特修コース22ヶ月6回整経・織り機へのセットを履修済の方「八つ縄文織り」特修 整経から織りまで
E.体験コース3(6)日連続3(6)回特にありません整経から織り上げまで1(2)工程を行ないます
詳細は「体験コースのご案内」をご参照ください。

開講日

日・月・火・金・土曜日  AM10:30~PM4:30

空いている本科講習用織機台数

0台

現在、織り機に空きがございません。
ご予約いただいた方には空き次第ご案内させていただきます。

体験コース用の織り機は別途用意させていただいております。詳細はmail等でお問い合わせ下さい。
なお現在通常日程で開講しておりますが、出席者が多い場合、3密を避けるため日程を調整させていただいております。
ご理解の程よろしくお願いいたします。

手織りを始めてみようとお考えの方に

織り機の大小、形を問わず織りには基本的に5つの工程があります。

  1. 作品のデザインの決定(色、柄、作る物)
  2. デザインに従って、経糸(たていと)を必要巾、長さに並べる → 整経(せいけい)
  3. 織り機に整経した経糸をセットする
  4. 織る
  5. 作品に仕立てる

5.は織りの実技には直接関係しませんので、織りの実際は1~4が問題になるかと思います。
1.は大変重要な部分ですが、2~3の工程を正確に習得した後、考えられるのが良いと思います。
4.の織るという作業を習得するのには長い繰り返しが必要です。

地方により、人によって呼称、方法等には見かけ上の違いはありますが長く続いてきた方法は基本的には同一です。重要なことは、2~3の工程を正確に習得された上で、次のステップに進まれることと思います。ここを曖昧にすると要らぬ苦労を強いられたり、限りなく拡がる手織りの世界のほんの一部しか見る事ができず楽しみが半減してしまいます。
また、織りが初めての方には最初から本科に入られるのではなく、3日または6日間の体験講習を受講され、織りの感触を経験されてから本科へ入られるのかお決めになる事をお勧めしています。いずれにしましても、あまり気負って取りかかりますとお苦しみになってしまいます。肩の力を抜きリラックスして始められるのがベストかと思います。

テキストのご案内

手織りを志ざす皆様が悩み、苦労されている手織りのポイントをまとめた教室で使用されているテキストを頒布させていただきます。
ご希望の方はお問い合わせmailでお申し込み下さい。

手織りの急所、難所、峠について解説しています

A4版 36頁

¥2,500(税・送料別)

織り柄デザインの基礎を解説しています

A4版 36頁

¥2,500(税・送料別)

いちき糸店 長野県諏訪市清水1-6-7  Tel.0266-52-0518 本HPの無断転載を禁じます。 2001/1/27-