結合状態変更による柄の変化

 「柄をつくる」のところでお話しましたが、「あすび(綜絖)通し」、「踏み木の踏み順」が同じでも、あすび枠と踏み木との結合状態を変化させると、柄も変化してきます。どの位変化させる事ができるのでしょうか。
 ここでは「あすび枠2枚」を「1本の踏み木」に結合した時を考えてみたいと思います。「あすび(綜絖)通し」、「踏み木の踏み順」を固定し、2枚のあすび枠を1本の踏み木に結合した状態は図1の6パターンです。

例えば「6」の場合は手前2枚のあすび枠が1本の踏み木に繋がっている事を表しています
図1

 4本踏み木、4枚あすびで、踏み木の踏み順、あすび通しを固定し、「あすび枠2枚」を「1本の踏み木」に結合し織り進む場合、6パターンのいずれか4つを選択し、順に踏んで行くことになります。6パターンから4つを選択する方法は、「1」のパターンについて60通りありますから、全部では60×6=360通りあることになります。360パターン中、様々な原因で同じ柄になってしまう場合がありますが、360パターン中多くの場合、80パターン程度は同じ柄を含みません。
 ただ単純に「結合状態」を変える事だけで、少なくとも80程度の変化を作る事ができます。また踏み木の踏み方が煩雑にはなりますが、1枚のあすび枠を1本の踏み木に結合し、同時に2本の踏み木を踏めば、縛り直さなくても同様に6パターンを選択し、変化させることが可能です。
 図2、3に「あすび通し」、「踏み木の踏み順」が同一で、結合状態を変えた柄を作図してみました。
(図2、3は、それぞれあすび通し、踏み木の踏み順が異なります)

図2

図3

 あすび通し、踏み木の踏み順を変化させる事に制限はありません。また、更に色が加われば、限りなく楽しみ方が増えて行きます。多くの場合80パターン程度をつくることができますが、すべての場合ではありません。まだたくさん考えなくてはならない事がありますが、とりあえずは楽しめます。
 机上の世界が実際の布となって、ひと踏み、ひと踏み、姿を現してくるのを見ることは、好奇心の強い方にはたまらないものがあると思います。チャレンジしてみてください。がんばりましょう!

【追記】 2007/8/31
 あすび枠と踏み木の結合状態を見たとき、行列方向、各行列とも2つの交点をもつものは、360柄中72柄あります(表、裏36柄)。前にも書きましたが、行列両方向、各行列とも2つの交点を持つものは、2本ロクロで織る事が出来、また結合状態が安定しているため踏み木を踏んだ時、きれいに開口します。さらに、この72の組織は「八つ縄文織り」で、経、緯方向とも自由に拡大、縮小する事が可能です。

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