コラム 手織りの豆知識



 柄の規則性を検討してゆく上で、組織図(組織)が持っている様々な原則(規則性)を理解しておく事はとても重要です。しかしその全容を理解する事は難しいものがあります。 その理解の助けになればと、図1のような3次元の組織図を書いてみました。それぞれの軸は下記の状態を表します。
X軸:「綜絖通し」の状態(結合状態を含まない図2の状態)
Y軸:「踏み木の踏み順」の状態(結合状態を含まない図2の行列を入れ替えた状態)
Z軸:「結合状態」の状態

図1


図2


この組織図の表している重要な点は以下の通りです。
この事は即ち「組織図の4大原則」に他なりません。

1. 結合状態を含んで綜絖通しを変更しても組織(柄)は変わりません。(X軸のチャンネルを結合状態を含んで回転しても柄は変りません)→結合状態を含まずに回すと柄は変わります→平面は移動します。
2. 結合状態を含んで踏み木の踏み順を変更しても組織(柄)は変わりません。(Y軸のチャンネルを結合状態を含んで回転しても柄は変りません→結合状態を含まずに回すと柄は変わります→平面は移動します。
3. 綜絖通し、踏木の踏み順を変えずに「結合状態」のチャンネルを動かすと平面はZ軸上を移動し平面は移動し柄も変わります。
4. 同一平面内の組織(柄)は、同じ「綜絖通し」×「踏み木の踏み順」の範囲であればどこをとっても同一(水色の枠)です。
5. チャンネル数は、4枚綜絖、4本踏み木の織り機で1本の踏み木に2枚の綜絖枠がそれぞれ繋がった場合に限れば(織りの組織を考える時この状態は極めて有効です)綜絖方向(行方向)で24、踏木の踏み順方向(列方向)で24、あります。
6. 織り幅、織る長さ、とも「繰り返し」と書きましたが、実際には織り幅も織る長さも有限の繰り返しです。また結合状態も「柄を作る上で極めて有効」な場合は有限です。
7. 「八つ縄文織り」はこの3つのチャンネルに、X,Y軸に沿って「倍率」という新しい要素を加えたものです。


home