試し織りの有用な方法
下の16枚の組織図を御覧ください。布の組織は全て異なっています。しかし列(縦)方向では8枚の組織の「結合状態」と
「綜絖通し」は同一で「踏み木の踏み順」が異なります。言い換えれば列(縦)方向の8つの組織は「踏み順」を変えるだけで織り出すことができ、8タイプを同一の織りの中で製織することができます。また左右の組織は「結合状態」のみ異なっています。これも言い換えれば左右の組織は「結合状態」」を変えるだけで織り出すことができることを示しています。またこの16パターンを使用することにより非常に有用な柄を織り出すことができることはしばしば経験してきました。
織り機に経糸をセットする作業は大変な手間がかかります。一回の「綜絖通し」と「本筬通し」を行えば、後はセット後でも自由に変更が効く「結合状態」「踏み木の踏み順」を操作し16種類の織りを行って見ることは、織りの柄デザイン上とても有用な方法です。
(左列1番目-2番目、3番目-4番目、5番目-6番目、7番目-8番目は相互に表裏関係にあります。)